VPNの通信プロトコルはどれを選択したらいいの?そもそもプロトコルって何?
- VPNのプロトコルについてわかりやすく教えてほしい
- プロトコルはどれを選べばいいの?
- プロトコルの種類によって何が違うのか教えてほしい
今回はVPNを利用する際に必要な知識である、『プロトコル』について解説します。
結論から言ってしまうと、プロトコルとは通信する時の約束事です。
例えば下記のような違いがあります。
受信相手が準備できる前に、送信することを最優先で通信データを送ります。
受信相手が準備できてから、安定性を優先して通信データを送信します。
本記事を読めば、プロトコルについて正しく理解し、適切なプロトコルを選択できるようになりますよ。
プロトコルを選択するときの確認すべきことも解説しています。
それではさっそく本題へ行きましょう。
ちなみに、下記の記事でVPNアプリ別にプロトコルや料金を比較しているので、VPNアプリの利用を考えている方は是非参考に。
プトロコルとはVPN以外の様々なソフトウェアにも存在する
さきほど説明した通り、プロトコルとはIT技術における、通信するときの約束事です。
IT技術にはいろいろな機器やソフトウェアが存在します。
通信方法に約束がないと、「この機器ではこのメールは送れない・読めない」「このソフトウェアはインターネットに接続できない」など、様々な問題が発生します。
プロトコル(約束事)が存在することにより、どのパソコンでもメールを見ることや、どの端末でもインターネットへ接続することができます。
今回はVPNの接続に利用するプロトコルを紹介しますが、メールの送受信・パソコンの処理など様々な場所にプロトコルがあることも知っておきましょう。
VPNの通信プロトコルは種類で機能が変化する
VPNの通信プロトコルは、多くの種類があり、選ぶものによって機能が変わります。
さきほども紹介したとおり、接続する約束事(プロトコル)が変わると通信の送受信する順番などが変わるからです。
例えば、安定性を重視したプロトコルは情報が漏洩するリスクが減り、安全性が高くなります。
VPNの用途によって、プロトコルを変更することが重要です。
ちなみにVPNがどんなもので、何に利用できるか知りたい方は下記の記事で解説しています。
>>>VPNとはどんなものかわかりやすく解説した記事はコチラ
VPNで利用される通信プロトコルの種類と特徴
VPN接続で利用するプロトコルの種類と特徴を、下記にの表にまとめました。
VPNの通信プロトコル一覧表
VPNの種類 | 回線速度 | 利便性 | 安全性 |
OpenVPN | |||
IKEv2 | |||
L2TP | |||
SSTP | |||
PPTP | |||
WireGuard | |||
Lightway |
ひとつずつ詳細を解説していきます。
OpenVPN
OpenVPNは多くのサービスが提供しているVPNの代表的なプロトコルです。
比較的新しいプロトコルといこともあり、機能にバランスがとれているので使いやすいです。
迷ったときには選んでおけば間違いないプロトコルがOpenVPNです。
IKEv2(Internet Key Exchange version 2)
IKEv2は比較的新しい安定性の高いVPNプロトコルです。
IPsec(セキュリティーを高くするプロトコル)と併用して役割を果たします。
通信の切り替えなどに向いていることから、モバイル 端末などでの使用におすすめのVPNプロトコルです。
L2TP(Layer 2 Tunnel Protocol)
L2TPとは後述するPPTP(古いプロトコル)の進化版です。
IKEv2と同様に、IPsec(セキュリティープロトコル)と組み合わせて使用します。
速度は速くないですが、強力なセキュリティーのプロトコルです。
*安全性が高いと言われてきましたが、NSA(アメリカ国家安全保障局)により脆弱性があると言われています。
SSTP(Secure Socket Tunneling Protocol)
SSTPとはWindows Vista以降すべてのMicrosoftOSに完全統合されているプロトコルです。
Microsoft社が開発したプロトコルなのでコードを編集することができません。
安全性が高く使いやすいですが、コードがわからないため不安要素もあるVPNプロトコルです。
PPTP(Point-to-Point Tunneling Protocol)
PPTPとは現存する中で一番古いプロトコルです。
1990年にMicrosoft社が開発しました。
古いが故に、セキュリティーはあってないようなものです。
通信速度が速いため、強いセキュリティー機能を必要としない方には現在も利用されているVPNプロトコルです。
WireGuard
Jason Donenfeld氏が開発したプロトコルです。
WireGuardは、OpenVPNやIKEv2よりも通信速度が速く、接続が安定すると言われています。
同条件のデバイスによる通信速度比較データ
VPNプロトコル | 通信速度 |
WireGuard | 1100Mbps |
OpenVPN | 480Mbps |
L2TP | 510Mbps |
WireGuardは、これから必ず主流になるVPNプロトコルです。
ちなみにsurfsharkならWireGuardプロトコルを月額300円で使用できます。
使い方については下記の記事で解説しているので、是非参考に。
Lightway
LightwayはExpressVPN社で独自開発したプロトコルです。
軽量設計で、より速く動作し、バッテリー消費はより少なく、維持しやすいと公式サイトより紹介されています。
実は私も使用しています。
とにかくストレスフリーで使用できるくらい通信速度が速いです。
不透明な部分が多いですが、単純に使いやすいVPNプロトコルを探しているならおすすめです。
補足:IPsec(Security Architecture for Internet Protocol)
IPsecとは暗号化により改ざん検知などができるようになるプロトコルです。
主にVPN接続を行う際に利用されているプロトコルです。
VPNの通信プロトコルを選ぶときに確認すべきこと
VPNのプロトコルを選択する時には下記の項目を確認しましょう。
- 通信速度
- 安全性
- 機能性
ひとつずつ解説していきます。
通信速度
サイト表示などの速度感はとても重要です。
通信速度が速くなければ、生産性が落ち、ストレスも発生するのでVPNを継続的に利用していけません。
継続して安全性の高いVPNを利用していくためには通信速度が必要です。
当然プロトコルだけで回線や処理速度が決まるわけではないですが、VPNを接続した時に遅いと感じるときにはプロトコルを変更してみましょう。
ちなみにVPN接続が遅いと感じるときの原因と対処方法は『【VPN接続が遅い理由】プロが原因とすぐにできる解決方法を紹介』を参考に。
安全性
VPN接続している時にはセキュリティーが高い状態を維持できます。
しかしプロトコルによって安全性が違います。
例えば先ほど紹介した通り『PPTP』なら簡単に暗号を解読されてしまいます。
安全性と利便性の優先順位を明確にしてプロトコルを選択するようにしましょう。
機能性
ここでいう機能性は、あなたがVPN接続により目的を果たせるかの確認です。
プロトコルによって、果たす目的が違います。
例えば、動画視聴、セキュリティー、通信速度、など種類のよって優先順位が違います。
VPNの通信プロトコルには様々な特徴があるので、あなたの選んだプロトコルは目的を達成できるのか必ず確認するようにしましょう。
まとめ:VPNの通信プロトコルは目的によって選定が必要
今回はVPNのプロトコルについて解説しました。
結論、プロトコルによって、安全性・快適性・機能性すべてが決まります。
あなたもVPNを選ぶ時には、どんなプロトコルが使用できるのかを確認してから選定ようにしましょう。
今回は以上です。