VPNって何?デジタル関係が苦手な私でもわかるように教えてほしい
- VPNについて学びたい
- VPNを接続するメリットとデメリットが気になる
- VPNが必要か悩んでいる
今回はVPNについて解説していきます。
VPNとは『Virtual Private Network』の略で、日本語で直訳すると『仮想の専用回線』です。
難しく聞こえるかもしれませんが、実は誰でも仕組みを理解することができます。
よくあるVPNの説明がわかりにくいのは、専門的なIT用語が出てくるから難しく聞こえるだけです。
例えば『プロトコル、LAN、WAN、L2、L3、IP』などです。
本記事ではなるべくIT用語を使用しないで、VPNの事を誰でもわかるように解説していきます。
本記事を読めば、VPNの仕組みやメリットデメリットを理解し、あなたに必要なのかを判断することができますよ。
ちなみに個人でVPNの利用を考えている方は、下記の記事で個人がVPNを接続するメリットを解説しているので、是非参考に。
それではさっそく本題へ行きましょう。
VPNとは仮想の専用ネットワーク
VPNとはインターネット回線を利用して作る、仮想の専用ネットワークのことです。
例えば公衆のインターネット回線には、『A社、B社、C社、一般人』など全ての情報が飛び交っています。
VPNを構築することにより、『A社だけ』の情報が飛び交う仮想の専用ネットワークを作ることができます。
作成した仮想ネットワークは、暗号化することで、周りの人から情報を盗めないようにすることもできます。
つまり機密情報などの漏洩を防ぐことができます。
利便性や安全性が高いことから、需要が伸び続けています。
総務省の調査によると2021年3月の時点でIP-VPNの契約数が66万件にも及びます。
VPNの契約数推移
企業の場合、VPNを導入していることが当たり前の時代となっています。
VPNの仕組み
VPNはインターネット上に仮想のネットワークを作成し、特定の人のみが接続できるようにします。
また下記の設定をすることにより、セキュリティレベルを高くすることが可能です。
- トンネリング
- カプセル化
- 承認
ひとつずつ解説していきます。
トンネリングとは
「トンネリング」とは、データの送信者と受信者の間に仮想的なトンネルを作り通信を行うことです。
図のように、悪意のある第三者により、データを盗もうとしても、トンネルが邪魔で情報を盗むことができなくなります。
カプセル化とは
カプセル化とは、データを暗号化してカプセルのように送受信する仕組みのことです。
図のように、仮想トンネルに侵入されたとしても、データをカプセル化している事により、情報を盗むことが困難になります。
承認とは
『承認』とは送信者と受信者同士がお互いに正しい相手だと確かめる方法です。
データを送信する相手が偽物だった場合、全ての情報を盗まれます。
『承認』により、正しい相手だと確認することにより安全性が高くなります。
VPNのメリット
VPNは会社で利用するものや、個人で利用するアプリ版など様々なVPNがあります。
会社などで利用されるVPNの代表的なメリットは下記の通りです。
- 安全にデータの送受信ができる
- 遠隔で専用ネットワークに接続できる
- スマホやタブレットでも専用ネットワークに接続できる
- 低コストで専用ネットワークを構築できる
ちなみに個人で利用されるVPNアプリのメリットは少し違います。
下記の記事で個人で利用するVPNのメリットを解説しているので是非参考に。
それではひとつずつ解説していきます。
安全にデータの送受信ができる
VPNを使用するとインターネット通信のセキュリティーレベルが高くなります。
先ほど解説した『トンネリング』『暗号化』『カプセル化』により通信情報を盗むことが困難になるからです。
VPNなら機密情報などを利用する場合でも、比較的安全にデータを送受信することが可能です。
遠隔で専用ネットワークに接続できる
VPNを使用すると自宅やホテルからでも、社内専用ネットワークなどへ接続することが可能です。
わざわざ会社のパソコンを開かなくても、自宅のパソコンで作業ができるのでテレワークなどに適しています。
会社側から指定したユーザーしか接続できないように設定できるので、不正にログインされる心配も少ないです。
スマホやタブレットでも専用ネットワークに接続できる
スマホやタブレットからでも社内専用ネットワークに接続が可能です。
インターネットを利用できる場所なら、デバイスを使ってどこからでも接続可能です。
スマホの設定画面からVPNの設定を入力するだけで簡単にできます。
ちなみにiPhoneの場合には『VPNとデバイス管理』項目が追加されました。
使い方については『【VPNとデバイス管理とは】使い方と見つからない時の対処を解説』を参考に。
低コストで専用ネットワークを構築できる
VPNを使うには機器の設置と簡単な設定のみなので、低コストで専用ネットワークを構築することができます。
有線で専用ネットワークを構築することもできますが、莫大なコストが必要となります。
しかしVPNであれば、接続する拠点に専用の機器を設置するだけなので、低コストで専用ネットワークを利用することができます。
VPNのデメリット
VPNには下記のデメリットがあります。
- 100%安全ではない
- 通信速度がおそくなる
- 費用がかかる
ひとつずつ解説していきます。
100%安全ではない
VPNは安全性が高いですが、100%安全というわけではありません。
どれだけ難しい暗号でも解読されることがあります。
今は解読不可能とされる暗号化方式が、来月には簡単に解読できるかもしれません。
公衆回線に比べれば安全度は比べものにならないぐらい高いですが、VPNだから絶対に安全と思ってはいけません。
通信速度が遅くなる
VPNの種類にもよりますが、通信速度が遅くなることがあります。
接続しているインターネットを使用して仮想ネットワークを作るため、プロバイダやWi-Fiなどの通信速度に依存します。
通信が混雑した場合にも、速度がおそくなることがあります。
後述するVPNの種類によって速度は違いますが、ほとんどの場合通信速度に影響があります。
ちなみにVPN接続が遅い理由などについては『VPN接続が遅い理由】プロが原因とすぐにできる解決方法を紹介』を参考に。
費用がかかる
VPNを利用する為には必ず費用がかかります。
ルーターの設置費、VPNサービスの契約代などです。
従来の有線接続に比べると格安の費用ではありますが、デメリットの1つです。
VPNが必要なシーン
VPNが必要なシーンは下記の2つです。
- テレワークを行う
- 遠方から社内ネットワークを利用する
ひとつずつ解説します。
テレワークを行う
テレワークを行う場合にはVPNが必須です。
VPNを接続することにより、機密情報の漏洩を防ぐことができるからです。
一般のインターネットを利用して社内情報に接続すると、通信情報を盗まれて機密情報が漏れる可能性があります。
VPNを接続することで、社内の機密データを守ってくれます。
家庭から社内のネットワークへ簡単に接続できる利便性もあります。
つまりテレワークをするならVPNが必要です。
社内ネットワークを遠方でも使用する場合
出張などにより遠方から、会社のネットワークが必要な場合には、VPNを利用すべきです。
テレワークと同じく、公衆のインターネットを利用して社内情報を取り扱うので情報が漏洩するリスクがあります。
VPN接続により情報漏洩のリスクを最低限に抑えることが可能です。
VPNなら海外からでも仮想ネットワークに接続できるので遠方からの利用に適しています。
VPNの種類
先ほども少し触れましたが、VPNには大きく分けて4つの種類があります。
- インターネットVPN
- IP-VPN
- エントリーVPN
- 広域イーサネット
一つずつ特徴を解説していきます。
インターネットVPN
インターネットVPNは公衆インターネットを使用してVPNを構築する方法です。
インターネットVPNには下記のメリットとデメリットがあります
- 重要な機密情報を扱わない
- 利便性が必要
- コスト優先
IP-VPN
IP-VPNとは、通信事業者の閉ざされたネットワークを使用します。
事業者独自の閉ざされたネットワーク領域なので、通信事業者と契約者しかアクセスできません。
- 機密情報を取り扱うので安全性が高い専用ネットワークが必要
- 顧客へのレスポンスが大切なので、通信速度が重要
エントリーVPN
エントリーVPNは公衆インターネット回線を利用し、通信事業者の閉ざされたネットワークを使用する方法です。
先ほど説明した『インターネットVPN』と『IP-VPN』を合体させた方法です。
- 安全な専用ネットワークが必要
- コストは最低限抑えたい
広域イーサネット
広域イーサネットとはLAN(ローカルエリアネットワーク)を利用して通信事業者の閉ざされたネットワークを使用する方法です。
地理的に離れたLANを一つの大きなLANとして利用する事が可能です。
広域イーサネットは様々なプロトコルを使用できる為、柔軟なカスタマイズも可能です。
ちなみにプロトコルとは、コンピューター同士の通信をするときの約束事のようなものです。
- 安全な専用ネットワークが必要
- 拠点が少ない
まとめ:VPNは企業にとって必要不可欠な通信
今回はVPNについて解説しました。
結論、VPNを導入するとネットワークの利便性よくなり、セキュリティレベルが高くなります。
つまりVPNを導入している企業は『信頼性が高い企業』とも言えます。
まだVPNを導入していない場合には、今すぐにでも導入を検討しましょう。
今回は以上です。
ちなみにVPNの料金などを比較した内容を下記の記事で紹介しているのでぜひ参考にしてください。
>>>VPNのおすすめランキング【徹底比較】2022年最新版